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2005.04.26

JR福知山線 尼崎市で脱線事故

兵庫県尼崎市でJR福知山線を走行中の快速電車が脱線し、マンションに衝突するという大変な事故が起きました。

先日の土日に撮り貯めた花の風景写真をアップする予定にしておりましたが、このような大惨事が発生し、車内に取り残された方の救出作業が済むまでは延期したいと思います。

尼崎での列車脱線事故のニュースを聞き、尼崎には親戚が住んでおり気が気ではありませんでしたが、早い時期に連絡がつきホッとしております。
しかしながら、この事故では多数の方が死傷しており、犠牲になられた方には心よりご冥福をお祈りいたします。
また、けがをされた方には1日も早い回復を願うとともに、車内に残された方々の一刻も早い救助を願ってやみません。

先日の四国の高知県で起こった宿毛駅での特急列車激突事故の記憶も新しいというのにまた列車事故が起こってしまいました。

事故原因が特定されていない段階では様々な憶測が飛び交っておりますが、原因の一つとして考えられているのは運転士がオーバーランしたことにる時間の遅れを取り戻すためにスピードを出し過ぎていた、と言うことらしいです。

しかし、JRが発表した数字では、直線部分の制限速度は120km/h、カーブでの設計上脱線することなく通過できる最高速度は133km/h未満とされています。
列車の設計上の最高速度は120km/hで、130km/hを超えると非常ブレーキがかかるしくみになっているそうです。
理論上ではこの脱線事故を起こした電車では脱線するスピードには到達できないことになります。

もちろん、車輪、レールの摩耗や、列車の乗客の数によっては重心位置が変わるなどにより理論通りにはならないと思いますが、報道されているJR発表の数字を見ているとどうも納得のいかない数字です。

置き石と速度超過の複合的な要因との考えもあるようですが、JRとしては「設計上、速度超過だけでは脱線することは考えにくく、運転士の独断による速度超過の過失と置き石との複合要因」という説を暗に強調しているように感じてしまいます。JRとしては列車運行上の安全を十分確保しており、今回の事故の責任を逃れたいという言い訳けのようにも受け取れます。

事故原因の一つであるとされる速度超過については、公共の交通機関である以上、時間厳守は最重要項目なのでしょうが、遅れてしまったものは仕方のないことです。制限スピードをオーバーしてまで時間を取り戻そうというのは、乗客の安全を無視した無謀な考えです。

しかし、それを運転士個人に対する責任として片づけることのできない背景がJRにはあるようです。運転士が安全を無視してまで時間を取り戻そうという考えに至ったのは、JRの体質のせいかもしれません。

ミスや時間の遅れが処分の対象となり、経歴に汚点を残すということは仕方のないことにしても、それを全面に押し立てて、とくに私鉄各社と競合する路線に於いて時間の遅れが最大の汚点であるということが若い運転士には重くのしかかっていたのかも知れません。

公共の交通機関である以上、ミスや時間の遅れはあってはならないことです。
しかし、それが起こってしまったら遅れた時間をどう取り戻すのかは、ダイヤのやりくりなどを考える司令所が行うことであって、現場の運転士が考えることではないと思います。
ましてや、制限速度を超過するという安全な運行をないがしろにしてまで時間を取り戻すということはあってはならないことです。

JRの過去の事故を見ても人為的な要素が絡んだ事故がほとんどです。
JRは列車ダイヤ厳守、ミスを犯さないことを徹底しているようです。
もちろん運転士も公共交通機関の運転士として時間厳守、ミスを犯さないことを肝に銘じなければならないことですが、それが運転士にとっては安全への配慮を欠く心理的な負担になっていることは明らかです。

14年の年月が経っているにもかかわらず記憶の中に鮮明に残る信楽高原鉄道の列車衝突事故の原因もそうでした。
単線でありながら対向する列車がすれ違っていないことに加え、出発信号が赤であったにも関わらず、時間の遅れからダイヤ通りの運行のため列車を発車させてしまったことが原因と言われています。
旧国鉄時代に起こった餘部鉄橋からの列車転落事故も然り。

JRはあまりにも時間厳守を徹底し過ぎる事によって、現場では安全確保・安全運行よりもダイヤ優先の意識が過剰に植え付けられてしまっているように思います。

JRは公共の交通機関である以上、「ミスを犯さない」、「時間を厳守する」、という教育はもちろん必要なことなのですが、それが足かせとなって安全への配慮を欠いた社員教育になってしまっているのではないでしょうか。

その結果、時間を取り戻すことだけが運転士に課せられた使命のようになってしまい、少なくともそう感じた運転士には、安全への配慮をなおざりにする考えが定着していたのかも知れません。

運転士が時間を取り戻そうという考えに至った要因はJRの教育の仕方にあり、事故を起こした運転士もJRの被害者と言えるような気がします。

JRは、今回の事故原因がなんであったにしろ、現場にいる人が時間の遅れに気をとられることよりも、安全運行優先という意識をもてるような環境を作る責任があります。

これはJRのみならず一般企業にも言えることで、不景気な時代にはどうしても効率化、利益追求を考えなければ生き残ることができません。
しかし、効率化を追求し安全対策が後回しになってしまった結果、顧客の信用を失うということは少なくありません。

十分な時間をかけないまま新車開発や定期的なモデルチェンジを行う販売促進によって、顧客獲得を最優先課題とした結果が、重大事故を起こす欠陥車を作ってしまった大手自動車工業もその一つでしょう。

さらに、身近な問題としては、大型トラックによる重大な事故が多発していることです。
運送業者は制限速度で走れない無理な運行計画を立て、それを運転手に指示しています。
摘発される業者が増え、一時よりは少なくなったようにも見えますが、今でも高速道路はもちろん、一般道路でさえ信じられないようなスピードで大型トラックが走っています。

私が免許を取った頃には、渋滞の列の先頭にはたいてい大型トラックがいました。しかし今は一般の乗用車が大型トラックにつつかれています。

とくに郊外の交通量が少なく走りやすい道路では、制限速度+αで走っていても大型トラックにつつきまわされ怖い思いをすることがあります。
ある意味、暴走族よりもたちが悪いです。

このような例は一般の中小企業はもとより航空機会社、原子力発電所など公共性の高い企業や機関にまで見られることで、例を挙げればきりがありません。

もちろん個人レベルでの安全への意識が低下していることもあるのでしょうが、その原因になっているのは不景気対策と利益追求のため効率化を優先させるあまり、社会全体としての安全への認識が薄まっているような気がします。

いくら個人で安全意識を身につけていても、JRのような時間厳守、ダイヤ優先主義的な慣習のある巨大な会社組織の中では、個人の安全意識を握りつぶすことになってしまっているような気がします。

安全への認識だけではなく、環境問題など個人レベルで意識しなければならない問題が数多くありますが、ひとたび大きな組織に入ってしまえば個人レベルの抵抗では押し潰されてしまい、長いものに巻かれてしまう悲しい現実があります。

企業の体質改善・安全への配慮は進まないどころか、ますます悪化しているように思えて仕方ありません。




企業のトップの進退問題


今回のような事故が一段落した後、取りざたされるのは企業のトップの進退問題です。
けじめをつけて辞任するのが一般的なようですが、この慣習が同じ間違いを繰り返さないか?という疑問を持ってしまいます。

当事者であるトップが辞任することは、「時間の経過とともに過去の忌まわしい事故の記憶が薄れ事故を風化させてしまう」ということを、企業や当事者が期待しているように思えて仕方ありません。

しっかりと自分の犯した罪と汚名と責任を背負って会社を引っ張っていくことこそが再発の防止につながるような気がします。

社会的な反響が大きければ大きいほど、トップとしての自覚と責任感の強い人なら事故に対する再発の防止にもより力が入るように思います。

以前、大手食品会社で起こった産地偽装事件、賞味期限の改ざんなどの度重なる不祥事件で連日マスコミに追われる大手食品会社のトップは、自社の不祥事であるにもかかわらず人ごとのように「寝ていない」という発言で問題になりました。このようなトップはトップである資格すらありません。
しかもこの大手食品会社は社名まで改めてしまい、今では過去の不祥事がなかったかのような錯覚さえ覚えてしまいます。

企業のトップの交代、社名を変更することは、時間の経過とともに企業イメージを回復させ過去の不祥事を風化させるための戦略であるとは言えないでしょうか。

このような食品会社は論外としても、トップの自覚と責任の持てる優秀な人材は、罪と責任を背負いながらトップであり続けた方がいいような気もします。

JRやJR西日本の社長のことを言っているのではありません。
一般論としてそう感じただけです。


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